抄録
産業廃棄物である石炭灰(FA)を水酸化カリウム(KOH)溶液によって処理した場合の生成物を系統的に調べた。本実験条件下ではリンデFゼオライトのみが生成した。FAを2gとしたとき、同ゼオライトは反応時間48時間、反応温度95℃、KOH濃度8mol dm-3、KOH量50mlで最高の生成量を示した。このとき、SEM観察によれば、FAの球状粒子は完全に溶解消失し、幅0.5∼2.0μm、長さ1∼数μmのリンデFゼオライト柱状結晶が見られた。試料の比表面積及び陽イオン交換容量は、それぞれ20.2m2/g、2.3meq g-1であった。