抄録
薄膜X線回折法はセラミックスの表面構造解析によく用いられ、表面から僅かな内部層までの層変化も観測することが可能である。本研究では、セラミックス膜の内部構造を含む薄膜X線回折データと表面近傍の回折データとを用いて、内部だけに依存するX線回折ピークを独立して観測することに成功した。この手法は内部構造の新規な解析法になる可能性が示唆され、これまで表層の回折強度に妨害されて解析し難かったセラミックス内部の独立した回折データを非破壊で収集することができる。本方法の機能性膜への応用の試みとして, 生体機能性セラミックス膜であるプラズマ溶射水酸アパタイト層を用いて層内部の解析を行った. その結果, コーティング内部層だけに帰属するX線回折ピークパターンを得ることに成功した.