抄録
CaBi4Ti4O15薄膜の相転移はPt下部電極の結晶性と方位に依存することが分かった。結晶性の高い(111)配向のPt電極上に結晶化したCaBi4Ti4O15薄膜は、(020)強度が比較的高いランダムな方位を示したが、パイロクロア相を含んでいた。一方、(200)配向のPt電極上に結晶化したCaBi4Ti4O15薄膜はペロブスカイト相でc軸配向を示した。断面TEM観察の結果、Pt(111)電極上に結晶化したCaBi4Ti4O15薄膜は、柱状結晶粒と薄膜/界面付近に点在する微細なパイロクロア相から構成されることが分かった。この薄膜は強誘電性のP-Vヒステリシス曲線を示した。