抄録
β-ホウ素は構造中にB12二十面体クラスターを含み、クラスター間には遷移金属が入るのに十分な大きさを持ったAA1 D, Eの3種のサイトが存在している。遷移金属はこれらのサイトに選択的に固溶することが知られている。挿入された金属は十分に離れていることから、クラスターを介在した相互作用による、物性の発現の可能性がある。そこで本研究ではAA1, Dサイトを占有するFeとAA1, D, Eサイトを占有するCuをドープしたβ-ホウ素クラスター化合物を固相領域において合成し、その特性評価を行うことを目的とした。