抄録
水酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2: HA)は、代表的な生体活性セラミックスであり、骨充填材として実用化されている。また近年では、組織工学のスキャホールド等としても期待されている。HAは、タンパク質やアミノ酸の吸着に優れていることから、クロマトグラフィー充填材やDDSとしての研究も進められている。しかしながら、現行のHA材料の多くは、焼結した多結晶材料であり、物質の選択的吸着および吸着量の制御がなされていない。本研究では、現行のHA焼結多孔体よりも、吸着特性に優れた材料を作製することを目的とし、材料組織を構築する粒子形状および結晶面を制御した顆粒状HAの作製を試みた。200℃の水熱条件によって作製したHA顆粒は、針状粒子から構成されており、顆粒の大きさは約100μmであった。