抄録
ゾル-ゲル法により作製したアルミナ薄膜を温水で処理すると数十 nm の微細な凹凸を持つ花弁状組織が生成する。このような凹凸構造が存在すると、空気と薄膜の界面の平均屈折率は連続的に変化すると考えられ、反射防止効果現れることが期待される。本研究では、花弁状アルミナ薄膜の作製条件が及ぼす反射防止効果への影響を検討した。その結果、温水処理30分後の花弁状組織が生成した薄膜(膜厚 約250nm)においては、220~620nm の波長領域で05%以下の反射率が得られ、特にわずか約02%の反射率が300nm付近の波長で得られた。膜厚や温水処理時間を制御することで花弁状アルミナ薄膜の反射防止効果を高めることに成功した。