抄録
これまでに本研究者らはアルミナ/金属酸化物の混合粉末を出発原料として用い、金属酸化物を金属に還元した後、焼結することにより、アルミナ/金属ナノ複合材料を作製してきた。この手法により、アルミナにナノレベルのニッケルを分散した材料の作製に成功し、優れた機械的な特性と磁気特性を兼備したいわゆる多機能調和型材料を具現化することに成功している。しかし、それらの研究の多くが単純形状の材料に関して取り組まれていた。ここで、常圧焼結法で複雑形状のナノコンポジットを作製することができれば、量産性やコスト面の優位性などから本材料の応用範囲が広がることが期待できる。本研究においては、ゲルキャスティング法を用いたナノコンポジット作製プロセスの改善をした。