抄録
反応焼結法によるSiCの製造プロセスは、Near-Net成形が可能な低温プロセスであり、工業的にもメリットがある。SiC+C→SiCの反応によるSiC生成時の体積膨張分の気孔を有するC多孔体を用いれば、Siの融点(1410℃)以上の温度で緻密なSi/SiC複合材料が製造できるものと考えられる。本研究では、機械加工性に優れた木炭を用い、Siを含浸することで反応焼結体を作製し、微構造及び分光放射率の評価を実施した。原料に気孔率約35%の木炭を用いて、減圧下1693Kで金属Siを溶融、含浸させて、反応焼結体を作製した。また、得られた焼結体を減圧下1873Kで熱処理して、遊離Siを除去し、多孔質焼結体を得た。反応焼結体及び多孔質焼結体について、研磨加工後の金属顕微鏡及びSEM観察、気孔率、気孔率分布、比表面積等の微構造評価を実施し、FT-IRにより反射スペクトルを測定し、放射率を算出した。