日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2003年年会講演予稿集
セッションID: 1A35
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擬似体液中におけるシリカ-キチンハイブリッド表面でのアパタイト析出
*宮崎 敏樹大槻 主税谷原 正夫芦塚 正博
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抄録
生体活性セラミックスは、骨欠損部に埋入されると体液との反応により表面に低結晶性の骨類似アパタイト層を形成し、それを介して骨と直接結合する。このアパタイト層の形成は、材料からのカルシウムイオンの溶出と材料表面に形成されるシラノール(Si-OH)基により誘起されることが知られている。従って、有機高分子に Si-OH 基を生成するアルコキシシラン化合物とカルシウムイオンを複合化した有機─無機ハイブリッドは、生体活性と柔軟性を併せ示す新規な骨修復材料として期待される。本研究では、有機高分子として天然多糖類の一つであるキチンを選択し、これにグリシドキシプ口ピルトリメトキシシラン(GPS)と塩化カルシウムを導入した有機─無機ハイブリッドの合成を試みた。さらに、得られたハイブリッドのアパタイト形成能を擬似体液中において調べた。キチン/(GPS+キチン)質量比が0.25の溶液で調製した溶液の場合にのみ均一なバルク体が得られた。これを擬似体液に浸漬すると、7日以内に表面にアパタイトを形成した。
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©  日本セラミックス協会 2003
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