抄録
有機無機複合化について、結晶性高分子であるカニの腱上に析出する HAp における熱処理の影響、構造の変化について報告する。HAp コーティングには交互浸漬法を用いる。HAp コーティングの前、または後に温度・時間を制御して熱処理を行う。浸漬回数が増すと HAp 析出量が増え、また熱処理を先に行うと HAp の析出が阻害されている。これは、HAp 粒子はキトサンの分子の間に入り析出すると考えられるが熱処理を行う事で、キトサンの分子が密な構造をとり、イオンの拡散が阻害されるため HAp 粒子が成長できないためである。