抄録
界面活性剤を鋳型としてモリブデンをシリカ骨格中に導入したシリカメソ構造体を合成した. そして, 結晶化させることで熱的性質について検討を行った. X線回折の結果、ヘキサゴナル構造のメソ構造体特有のピークが確認できた.また,窒素吸着測定の結果、均一な細孔径を有しており、高比表面積であった. 熱分析の結果より修正 Kissinger の式から結晶化の活性化エネルギーを求めたところ,モリブデンの含有量が増加するにつれて結晶化の活性化エネルギーは大きくなる傾向が見られた. メソ構造体を維持している間はアモルファス構造であることから,結晶化は細孔の崩壊によって急速に始まると考えられる.