抄録
硫酸浴中で陽極酸化して作製したナノポーラスアルミナ膜のSの分布をX線光電子分光法(XPS)により検討した。また、固体NMR法により結晶性を検討した。XPSにより、表面のS濃度は10nm程度の深度で約1/4になるのが認められた。一方、TG─DTA (700-1300℃)では、孔径が小さくなればなるほど、α-Al2O3への転移温度が低下した。また、NMRスペクトルより、結晶度の良いアルミナでは0ppm付近の6配位Alが顕著となる。6配位と4配位のAlが混在しており、とくに25nm試料では低磁場側にシフトしており、4配位のAlが多いことが示唆された。