抄録
負の層電荷を持つスメクタイトと正の層電荷を持つ層状複水酸化物(LDH)を混合・複合化させることで、細孔構造や吸着サイトを制御し、高い比表面積を持つ複合試料の合成を試みた。原料として合成および天然サポナイトと、共沈法により合成したMg-Al-CO3型LDHを用いた。複合化は所定の混合比で、溶液中およびボールミルにより混合・複合かさせた。得られた複合試料のXRDパターンから、LDHのピークは混合試料では明確に現れていたが、複合試料では明らかにピーク強度が弱くなっていることが確認された。一方、粉砕試料はどちらも粉砕効果が認められたが、比表面積は乾式より湿式ミル試料の方が顕著に大きい値を示し、何らかの複合化効果が生まれた結果であろうと推察される。