抄録
スピンコート法により50~500nmの範囲で結晶粒径を制御した(Ca2.6Bi0.4)Co4O9の c 軸配向膜を作製し熱電特性を評価した。電気抵抗率は半導体的な温度依存性を示し、結晶粒径の増加と共に電気抵抗率は低下した。ゼーベック係数は結晶粒径が小さくなるに従い増加した。EDX 分析の結果、試料による組成変化はなかったことから、ゼーベック係数の変化は結晶粒径に起因するものである。出力因子は120nmの平均粒径を持つ試料で最大となり、結晶粒径の微細化により熱電特性を向上させることが可能であることを示している。