抄録
シリカウェットゲルをチタンアルコキシドの有機溶媒溶液に浸してから超臨界乾燥を行うことにより、チタニア被覆されたシリカエアロゲルを作製した。得られたエアロゲルの元素分析、粉末X線回折、透過型電子顕微鏡観察、比表面積・孔径分布測定などを行い、特性を評価した。チタニアの被覆量は通常20wt%程度で、有機溶媒の種類など処理法の違いにより制御が可能であった。透過型電子顕微鏡観察では、二酸化炭素超臨界乾燥では粒子の析出は観察されず、チタニアがシリカ骨格表面に被覆されていることが示唆された。比表面積は骨格のシリカエアロゲルのものと同等の600-700m2/gであり、チタニア単体エアロゲルのものより大きかった。クラスターの吸着特性、超臨界乾燥媒体の影響についても論じた。