抄録
本研究は、ゾル─ゲル法から^<18>O を含むハフニアゲル膜を作製し、薄膜中の^<18>O の同位体交換を昇温脱離法(TPD)および2次イオン質量分析法(SIMS)により解析することを目的とした。TPDカーブの測定によりチタニアゲル膜からの脱離物質は350℃以下の温度領域で観測された。 脱離が観測された化学種のなかでOを含む化学種は物理吸着水(H_2^<18>O および H_2^<16>O)のみであった。両者のTPDカーブのピーク面積(50から250℃)よりH_2^<18>O および H_2^<16>O の脱離量を求め、脱離水における^<18>O 存在比を求めたところ、13at.%であった。ゾル液の^<18>O 存在比である50at.%(計算値)より大きく減少した。TPD装置内において350℃で真空焼成した薄膜中の^<18>O 存在比を SIMS プロファイルにより調べた。チタニア薄膜中に含まれる^<18>O の存在比は物理吸着水のそれと同等の 14at.%であった。