抄録
筆者らは、高濃度(1.0mol/L)の Ba、Tiアルコキシドを加水分解・エージング処理して合成したチタン酸バリウム結晶性ナノ粒子を有機溶媒中に分散した溶液を用い、チタン酸バリウム薄膜の作製を行っている。本研究では、この結晶性ナノ粒子を用いて作製した膜の、熱処理過程における誘電率・誘電損失の変化及び膜の構造等について検討した。熱処理温度を高くするほど誘電率は向上し、750℃で大きく上昇した。これは、チタン酸バリウムが粒成長したためと考えられる。また、誘電損失は550℃で大きく減少したが、これは、残留有機物や-OH基が除去されたためと考えられる。