抄録
正スピネルを固相反応法により合成した. 合成した正スピネルとアルミナ多結晶体,アルミナと正スピネルの単結晶をそれぞれ粉末状にし,多結晶-多結晶,単結晶-単結晶の組み合わせとなるよう混合した.それらを1450℃, 1時間仮焼後, 1750℃にて種々の時間(0.5~6 h)反応させた.それらの試料と, 反応前の試料に対してX線回折により格子定数を算出し, 反応前後での比較,検討を行った.反応後の試料では,反応前に比べてスピネルの格子定数の大幅な減少が見られた. これは,アルミナの固溶が進めばスピネルの格子定数は小さい方に変化するということから,反応後の全ての試料がアルミナリッチなスピネル固溶体である事を示している.