抄録
SrTiO3は電子の有効質量が大きいため、高いゼーベック得られることが予想でき、さらにバンド構造は電気を流しやすい構造をしていることから熱電変換材料として期待できる。しかし、キャリアが存在しないため導電性が得られない。そこで、SrサイトにYを置換することにより、キャリアを導入し、導電性を得た。クエン酸錯体の熱分解法により600℃という低温で不純物を含むことなくSrTiO3粉体を作製することに成功した。この粉体を常圧焼結、SPS、ホットプレス焼結を行うことでセラミックスを得た。また、常圧焼結後のセラミックスについては水素アニールすることで酸素欠陥を導入し導電性の向上を試みた。そして、これらの試料についての熱電性能を測定した。