DV-Xα法を用いたクラスター法による電子状態の計算を行い, SiCのα相とβ相の構造の違いが内核軌道にどの様な影響を与えるかを調査した. α型に6H-SiC, β型に3C-SiCを用い,Siが中心のクラスターを作成した. 各クラスターについてDV-Xa法でセルフコンシステントになるまで計算を行い, Si2p軌道のエネルギー値を算出した.各エネルギー値はクラスター全体のHOMOを基準にした. Si2pの軌道エネルギーは種類によらず85~89eVを,光電子に比べて10eV以上小さな値であった. SiC4のような小さなクラスターは光電子ピークと同じ傾向を示したが,大きなクラスターではα相とβ相で明確な差は見られなかった.