抄録
既存のぺロブス力イト化合物であるCaTiO_3-LaTiO_2N の固溶系(Ca_<1-x>La_x)Ti (0_<3-x>N_x)で表されるオキシナイトライドがx<0.1 のとき得られた。本研究では、その化合物の構造を詳細に調べるため、TG-DTAによる熱分析と、その結果により得られた情報を元にした熱処理を行った試料の中性子線回折を行い、その構造を詳細に調べた。TGの結果から空気中500℃ 1h の熱処理によって(Ca,La)Ti(0,N)_3の酸素欠陥が格子中の窒素と酸素の置換無しに埋まることが分かった。また、中性子線回折のデータをRietveld解析したところ(Ca,La)Ti(0,N)_3の結晶構造は斜方晶系、空間群Pbnmのときよい収束(Rwp=4.72%, S=1.37)を示し、得られた格子定数はCaTiO_3と比較するとa、b、c軸ともに増加した。