抄録
単分散ポリメチルメタクリレート(PMMA)球の積層膜をテンプレートとして,その空隙に酸化スズ前駆体溶液を浸潤後,PMMAを熱分解することにより,サブミクロンサイズの規則性細孔を有するマクロポーラス酸化スズ厚膜を作製した。得られた厚膜の微細構造は,PMMA球の大きさにはもちろんのこと,酸化スズ前駆体溶液の溶媒の種類や濃度に大きく依存した。すなわち, メタノールを溶媒として用いたとき良好な膜が得られること,直径が250, 400, 870 nmのPMMA 球を用いると良好な厚膜が作製できるが,厚膜表面の形状は,前駆体溶液の濃度が薄くなるとともに中空構造から中空内部が露出したハニカム構造に変化することを確認した。さらに,これらの水素ガス検知特性についても検討を加えた。