日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2003年年会講演予稿集
セッションID: 2K09
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MOCVD 法による貴金属酸化物ナノコンポジット膜の合成と電極特性
*木村 禎一太田 千春後藤 孝
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抄録
本研究では、溶融Pb-Biなど腐食性の高い環境で使用できる電極材料としてIrO_<2>やRuO_<2>などの導電性酸化物に着目し、MOCVD法によってYSZとこれらの酸化物のナノコンポジット電極を合成し、電極材料の耐食性の向上、および作動温度の低下を試みた。得られたコンポジット膜は微細な球状粒子が密に生成した微細構造を持ち、粒子径は Ir-YSZ膜では2-5nm、Ru-YSZ膜では50-80 nmであった。XPSによる解析から、Ir-YSZ膜中のIrは主として金属として存在し、一部がIrO_<2>となっていた。またRu-YSZ膜中のRuはRuO_<2>として存在していることが分かった。組成による電極/YSZ界面導電率の変化をFig.1に示す。15-20vol%MO_<2> (M=Ir, Ru)で最大となったのは、膜中での異種粒子間の接触面積がこの付近で最大となったためであると考えられる。コンポジット電極を用いた酸素濃淡セルは、550℃以上でNernstの式に従う起電力を示し、応答速度は10-20sであった。
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©  日本セラミックス協会 2003
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