抄録
カーボンナノチューブ(CNTs)は、種々の方法で合成されているが、よりエネルギー変換効率の高い合成方法の開発が望まれている。我々はエネルギー変換効率の高いパルス細線放電法を用いて炭素繊維を放電させることによりCNTsの合成に成功した。このとき、電極金属の蒸発により発生した金属超微粒子がCNTs成長の触媒として働いていたが、この金属触媒の粒径および量の制御を行えなかった。本研究では、ニッケル細線を放電させ、量や粒径を制御したニッケル超微粒子触媒を作製し、その直後に炭素繊維を放電させることによりCNTsの合成を行った。この結果、CNTsの合成が可能なことが判明した。