抄録
層状結晶CaSi2は代表的なZintl相の1つで、形式電荷はCa2+(Si-)2で表される。ここで、Si-はV族元素のリンと等電子構造となり、ヒ素や黒リンと類似の層状網目を形成する。その層間にCa原子層がサンドイッチされており、ダイヤモンド構造のSiの(111)面の間にCa原子層が挿入された層状結晶である。本研究では、CaSi2から層状ポリシランSi6H6を誘導し、これをアニオン性界面活性剤水溶液中で単層に剥離することを検討した。その結果、Si6H6は剥離と同時にシリコン骨格が酸化され、厚さ0.7nmのシリカナノシートが得られることを見出した。更に、得られたナノシートが蛍光を生じることも見出した。