抄録
一般的な固相反応法によるNaCo2O4焼結体の合成において、Naが示す大きな非化学量論性は、熱電変換材料などへの応用において重大な問題となっている。特に、粒界に偏析した非晶質のNa種はXRDでは検出できないため、X線的には単相試料であっても、粒界のNa種と結晶格子内部のNaとの量的関係には不明な点が多い。本研究では、NaCo2O4焼結体の固相合成における雰囲気や熱処理時間とNa非化学量論性の関係を詳細に検討した。800℃焼成、900℃焼結の条件では、熱処理時間が3hでは導電率が低下し、粒界への非晶質Na種の偏析が示唆された。一方、24hの熱処理ではCo3O4が副生し、単相試料は得られなかったことから、結晶格子内部からのNaの脱離が示唆された。