抄録
リチウムマンガンスピネル酸化物LiMn2O4はリチウムイオン電池用正極活物質として注目されている。この母構造のマンガンの一部をさらに安定な結合を形成する金属で置換すると、4V領域でのサイクル特性の向上とともにMnの電解質への溶解も抑えられることがわかっている。一方LiNi0.5Mn1.5O4に代表されるスピネルは5V領域を形成し、秩序型構造をとることが明らかになった。さらに酸素分圧を制御し格子欠陥を導入すると無秩序型構造に変化するとともに充放電出力特性が向上することが明らかになった。分子動力学法により求めたクーロンポテンシャルは無秩序型構造でのリチウム拡散がより容易であることを示し、計算結果は実験事実を支持することになった。