抄録
熱電材料への応用を目的として、欠陥型パイロクロア構造を持つAgSbO3 にCuOを添加した試料の電気伝導度とゼーベック係数を調べた。n型半導体であるAgSbO3は、CuO添加により室温から800℃の全域で電気伝導度は上昇し、ゼーベック係数の絶対値は低下した。一方、CuO添加量が2.5 mass%付近でゼーベック係数の絶対値が急激に大きくなり、800℃におけるパワーファクターは最高で7.24×10-4 Wm-1K-2 を示した。CuO添加の際に析出したAgアイランドのサイズや分布状態がゼーベック係数に影響を与えていると考えられる。今回はAgSbO3に添加するCuOの最適値を追及し、熱電性能のさらなる向上を図った。またAgSbO3にZnOを添加した試料の熱電性能を評価する予定である。