抄録
酸化タングステンを含有するリン酸塩ガラスは,タングステンの還元反応を伴って水素を溶解し,溶解された水素はガラス中を高速に拡散することがわかってきている.本研究ではPO5/2-WO3-NbO5/2-BaO-NaO1/2系ガラスを作製し,これらを3.5%H2-N2雰囲気中で熱処理することにより水素拡散係数の組成依存性を評価した.また,ESR及び紫外_から_赤外の吸収スペクトルの測定から,水素の溶解量を推測するとともにその固溶形態について議論した.水素の拡散係数は10-8_から_10-5cm2/secの範囲で変化し,PO5/2が少なくNbO5/2が多い組成で増大する傾向を示した.代表的な熱処理試料における水素の溶解量は,およそ1020個/cm3であった.