抄録
廃棄ガラスビンの粉末を200℃程度の低温で水熱処理することにより,ガラス粒子内へ水が拡散して水を保持したガラス粉末が得られた。この粉末を空気中で加熱することにより,700℃付近からガラス粒子が発泡することを見出した。ガラス網目構造内の水がガラスの軟化に伴い放出され,ガラスが発泡したものと考えられる。水熱処理後のガラス粉末を型枠の中に充填して加熱することにより,ガラス発泡体が作製できた。ガラス発泡体の密度は,水熱処理温度と処理時間,空気中での加熱速度及び加熱温度と加熱時間に依存したが,条件を制御することによりガラス発泡体の密度を0.3g/cm3以下にすることができた。大きな型枠を使用することにより,45cm角の軽量板が作製できた。