抄録
リチウムイオン二次電池の正極材料として利用されているLiMn2O4の研究は基礎から応用までその研究分野は幅広い。その中でも本研究は固体内のLi拡散現象に注目し、分子動力学法を用いて動的・静的な立場から考察をおこなった。Liは8a四面体およびそれと面を共有する16c空孔八面体の三次元につながった空間を拡散しているが、Liが拡散するためにはボトルネック(四面体と八面体の共有面)の拡大と拡散先のLi-Mnクーロン斥力の低下が必要であることがわかった。これらは共にMn原子価の時間的変調と深く関係しており、Liの自己拡散はeg電子のホッピングが引き金となっていることが明らかとなった。