抄録
α-Fe微粉末をアンモニア気流中で低温窒化することにより、高飽和磁化を有するFe16N2を合成している。窒化の進行および生成物の示す磁気特性は、原料とするα-Fe微粉末の形態(結晶子径、凝集度合い、結晶性)に依存する。結晶性の良い微粒子は窒化の進行が遅く、結晶径の小さい原料では窒化の進行に伴う微粉化およびFe3が生成し易いが為に、飽和磁化の低下が見られた。これらの結果から高純度なFe16N2を合成する為には、粒度分布が鋭く、分散性の良いα-Fe微粒子が必要であると考えた。そこでα-Fe微粒子を分散性の良い状態に自己組織化した粉体および薄膜を形成して、Fe16N2の窒化反応について調べた。