最近強誘電性と強磁性をあわせ持つ物質として(Pb,La)(Zr,Ti)O3-BiFeO3固溶体、Bi6Ti3Fe2O18およびYMnO3等について強誘電性と強磁性のカップリングが検討され始めている。演者らは強誘電体の自発分極と強磁性体の自発磁化を『直交』させることにより強誘電性と強磁性のカップリングが引き起こせるのではないかと予想している。このコンセプトに基づき、自発分極と自発磁化の方向が『直交』するBaTiO3/(Ni,Zn)Fe2O4積層エピタキシャル薄膜と自発分極と自発磁化の方向が『平行』となるBaTiO3/BaFe12O19積層エピタキシャル薄膜をSrTiO3基板上に作製し、薄膜の電気的、磁気的性質を測定した。