主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
鉛を含有しない強誘電体としてビスマス系層状化合物が期待されている。ビスマス系層状強誘電体は結晶異方性が大きく、電気的特性が方位依存性を示す。主な分極はa軸に平行に向いているため、強誘電性や圧電性を応用した高性能デバイスには、分極軸を膜面に対して垂直に制御したa軸配向膜が必要とされる。これまでに、ペロブスカイト層の酸素八面体の積層数が2のSrBi2Ta2O9や、積層数が3の希土類置換Bi4Ti3O12について、ルチル型構造の核形成層を介してa軸配向薄膜が作製され、その特性が報告されてきた。本発表では、複合アルコキシド溶液を用いて、酸素八面体の積層数が4のCaBi4Ti4O15膜を、核形成層を挿入しないで分極軸配向することに成功したので、その作製法と特性について報告する。