抄録
水熱合成により得られたBaTiO3粒子は、一部の粒子内部に穴のような欠陥構造をもっているのがTEMにより観察された。BaTiO3粒子は、処理温度の上昇と共に、密度の上昇が起こり、また格子長さの比c/a(tetragonality)が大きくなる傾向にあることは、すでに報告されている。そこで、今回は、この穴と密度やc/a比の上昇との関連性を高温TEMホルダーを用いて、その場観察を行った。この結果、密度が上昇する温度域で、穴が移動し始め、消失する過程を観察することに成功した。また、1273Kで熱処理した粒子でも、粒内に穴が残るものが存在し、そのような粒子においてもtetragonalityを確認した。