抄録
高分子前駆体法はセラミックスに対して特殊な形状を付与する手段として開発され、SiC系繊維の製造技術として広く知られている。コーティング用途に対しても、ポリカルボシラン(PCS)を主成分とした耐熱性塗料が開発されている。本研究では製膜性および焼成後の寸法安定性に優れた熱硬化性樹脂([-SiH(C6H5)-C≡C-C6H4-C≡C-]n)を主原料に用い、金属アルコキシドや種々の有機ケイ素高分子と混合、塗布、焼成することによって、セラミックスコーティング層の形成を行った。焼成の前段階である不融化処理が、前駆体層の微細構造に与える影響、また前駆体層の微細構造とセラミックス層との相関について観察を行った。