抄録
ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2:HAp)は優れた生体親和性を有し、生体材料として応用されている。演者らはポーリング処理によりHAp焼結体表面に電荷の片寄りを持たせる事で、生体活性をさらに高めることを報告してきた。また、HAp粉末においてもポーリング処理が可能であり、粉末をポーリング処理することで、酸および塩基性タンパク質に対する吸着量及び吸着速度が向上する事を報告してきた。今回の報告ではポーリングHAp粉末を充填材として用いてカラムクロマトグラフィーを行ない、血清タンパクであるフィブリノーゲンに対する未処理及びポーリングHAp粉末の吸着反応を検討した。