抄録
環境に悪影響を及ぼす有害金属元素の固定化を検討するためにCu、Zn、Cd、Hg、Pb又はCrを含む溶液とHZr2(PO4)3との混合物を250℃のオートクレーブ中で20時間熱処理を行った。各固定化体は、HZr2(PO4)3と同様の結晶形状を維持しておりNASICON型構造を有する化合物であった。各固定化体の浸出試験を1mol・dm-3-HClに対して160℃で24時間実施した結果、固定化金属元素のイオン半径が大きくなるに従い、耐浸出特性が高くなった。また、Cu、Zn、Cd、Hg、Pb又はCr100ppmを含む溶液とHZr2(PO4)3を処理したところ、処理後の溶液中に含まれる金属元素量はほぼ全ての元素で排水基準を下回っていた。