抄録
粒径7nmの単分散TiO2粒子懸濁液から長さ約10cm、平均繊維幅156μmのTiO2繊維を調製した。この繊維を300から1000℃で熱処理した。TiO2繊維はナノ粒子からなり、ミクロ孔およびメソ孔を有した。これらの微細構造は熱処理によって変化した。結晶型は800℃までアナタース型単相、900℃で100%ルチル型に相転移した。各温度で熱処理したTiO2繊維の光触媒活性を液相におけるメチレンブルー分解反応によって評価した。TiO2繊維の光触媒活性は熱処理温度の上昇ととに増大し、800℃で最も高くなった。これらの結果からTiO2繊維の微細構造および結晶型が液相における光触媒活性に及ぼす効果について論じた。