抄録
水熱条件下でのチタン酸ビスマス粒子合成時における、チタン源と鉱化剤の影響を詳細に調べた。チタン源としては、アルカリ水溶液中に直接チタンアルコキシドを投入して得た水酸化チタン、アルコキシド法により合成した水和チタニア、水和チタニアを仮焼して得られるアナターゼ型に結晶化したチタニア粒子をそれぞれ用いた。その結果、チタン源の反応性および硬化剤の種類、濃度が生成する粒子の形状、結晶相に大きく影響することが判明した。水和チタニアを原料に用いた場合には、比較的高温で水熱処理を行うことによって、平均粒径が数十ナノメートルオーダーのBi4Ti3O12粒子を得ることが出来た。