2018 年 10 巻 1 号 p. 46-61
構造改革は雇用も含め様々な分野で規制緩和を進めたが,スーパーは規制緩和が典型的に実行された産業である。本稿は,スーパーを対象として労働時間規制の変化及び営業時間・出店等の雇用以外の規制緩和が,人事制度や雇用構造に与えた影響を解明した。大店法の廃止以後,スーパーは長時間営業化し,厳しい販売競争に直面した。スーパーはこの競争に,一つは雇用構造を変化させることで対応した。その結果,パートの契約労働時間は短時間化しかつ契約労働時間数は職務の難易度と結びつけられた。社保・年金が適用可能な労働時間契約は,管理的業務を担う上位等級のパートに対して提供されることとなった。一方,正社員は管理・経営業務の担い手となり,時間的・空間的制約なしに働くことが求められた。このような正社員の働き方は,労働力再生産に関わる労働者を中核的正社員から排除したが,今このような働き方は男女労働者にとって不可能なものとなっている。