抄録
物質の物理的・化学的性質はその中に存在する電子の挙動に帰着できる。そこで、第一原理計算DV-Xα法を用いてデラフォサイト構造をもつCuAlO2の電子状態計算を行った。この物質は近年、大きなゼーベック係数を持つ新材料として熱電変換機能に期待されてる。 今回、CuAlO2のAサイト(Cu)及びBサイト(Al)を他の元素に置換することにより不純物レベルの出現の確認、エネルギーギャップ、共有結合性、各軌道の部分状態密度を調べ、実験の際の指針を与える事を目的とした。 現在、何も置換しないものでエネルギーギャップ約3eV、BサイトにNi、Crを置換することでエネルギーギャップが小さくなることが確認できた。