抄録
次世代の不揮発性メモリとして期待される強誘電体ゲートFETにおいて、Si基板上に強誘電体薄膜を成長させるためのバッファー層として我々はY2O3を用いることを検討している。このバッファー層には、優れた誘電特性と結晶性が求められることから、Y2O3薄膜をエピタキシャル成長させることが望ましい。本研究ではSi表面の酸化抑制を目的とした二段階成長によって膜厚20nmのY2O3エピタキシャル薄膜を作製した。その誘電特性から界面での低誘電率層の形成が示唆されたが、(NH4)2SO3を用いた基板前処理等の検討を行ったところ、製膜初期におけるSi表面の酸化を抑制することができた。さらに誘電特性を改善するために、低誘電率層形成の抑制を検討した結果についても報告する。