水溶液前駆体からのニオブ酸リチウム系材料の合成

抄録

機能性材料の中でも、優れた電気・光学特性を有するニオブ酸リチウム（LiNbO₃）やニオブ酸リチウムカリウム(KLN: K₃Li₂Nb₅O₁₅)について、環境負荷を与えない水溶液プロセスによる薄膜作製法を開発した。水溶液前駆体から作製したLiNbO₃薄膜は、サファイア(001)基板上において、350℃以上での加熱処理により結晶化し、非常に強いc軸方向への優先配向性を示した。また、KLN薄膜の作製においては、加熱処理の昇降温時における急加熱・急冷が結晶配向性や粒成長の制御に効果的であり、700℃での加熱処理によりMgO(100)基板上で（540）面に優先配向したKLN結晶膜が作製できた。