抄録
SrBi2Nb2O9などのビスマス層状化合物は電気機械結合係数が小さい、周波数温度特性が良好といった特徴を有し、無鉛圧電セラミックス材料として発振子への応用が期待される。しかし、高性能化が著しい発振子用途に対して、圧電特性や周波数温度特性の更なる改善が望まれる。一方、ビスマス層状化合物は結晶の異方性が大きいため、Templated Grain Growth (TGG)法などにより配向セラミックスの作製が容易であり、その結果諸特性の大幅な改善が可能である。本報では、これらビスマス層状化合物の配向化による諸特性の改善、特に周波数温度特性に及ぼす影響について議論する。