抄録
放射線の検出は、一般に放射線をシンチレータと呼ばれる結晶で検出し、そこからの蛍光を受光機で読み出すという形式で行われている。シンチレータには従来、光学的に透明で、高い蛍光が得られる単結晶が用いられてきた。近年、レーザー分野での技術発展によって光学的に透明なセラミックスが得られ、これをシンチレータへ応用する研究が行われ始めた。日本では我々がYAG(Ce)、GYAG(Ce)といったセラミックシンチレータを開発し、また海外ではGEなどが中心となり、宇宙・原子核物理、核医学(PET、SPECT)などへの応用を志向している。本講演では、セラミックスシンチレータを用いた放射線検出器の現段階での開発、今後の展望について述べる。