抄録
物質の機能評価において主成分組成と不純物含有量を高精度に定量し、物質機能との相関関係を求めることは重要な項目である。高精度定量のためには、現存する機器分析手法の中でも溶液試料を対象とした誘導結合プラズマ発光分光分析法または誘導結合プラズマ質量分析法が用いられる場合が多い。これら化学的な前処理を伴う分析法は、操作が煩雑で分析工程も複雑になる傾向がある。特にセラミックスは難分解性化合物であることが多く、試料の溶液化という点で分析的に多くの知識・経験が必要な物質である。本発表では、セラミックスの化学分析における問題点、分析法、分析値の精度などについて例を挙げながら報告する。