抄録
Siバルク多結晶は、太陽電池の最も実用的な材料であり、高効率化が大きな課題となっているが、そのアプローチとしては、多結晶基板の薄板化、高純度化、プロセス技術の改善などが主流である。しかしながら、結晶成長学的な手法により、バルク多結晶の構成要素である結晶粒方位・粒界性格分布・粒サイズなどを、自在に制御することが可能になれば、(1)簡便なプロセスによる均質な表面テクスチュア構造の作製、(2)結晶粒界におけるキャリア再結合の抑制、(3)粒内の結晶性の向上、(4)機械的強度の改善など、太陽電池の変換効率の改善に直結するさまざまな恩恵が期待できる。
本講演においては、我々が取り組んでいるSiバルク多結晶の組織制御に向けたさまざまな結晶学的な研究解説する。