抄録
無機粒子スラリーを利用した高精細インクジェット印刷を行うためには、100nm以下のナノ粒子の溶媒中への分散性がキーテクノロジーである。特に、環境問題の観点から溶媒には水系を用いることが望まれている。ナノ粒子の水系スラリー分散には、粒子の粒子径や比表面積、水中でのゼータ電位、分散剤の選定などが影響する。また、ナノ粒子の合成出発原料や合成方法による残存イオンも分散性に影響すると考えられる。本研究では、光触媒や白色顔料として利用される酸化チタンのナノ粒子などを用い、水系スラリーでのイオン濃度と分散性の評価を行った。その結果、わずかなチタンイオンの添加により急激な凝集状態が確認された。