抄録
カチオン界面活性剤存在下で調整したTiO2/多孔質アルミノケイ酸塩複合体が、紫外線照射により気相のアルデヒドを分解する一方で、混練樹脂の分解を抑制する効果があった。この複合構造形成に及ぼすカチオン界面活性剤の作用機構を解明するため、コロイドプローブ原子間力顕微鏡(AFM)法によりカチオン界面活性剤の添加条件に伴う2粒子間の相互作用の変化を解析した。2粒子間の付着力は、未吸着に比べ少量の界面活性剤吸着により減少し、飽和吸着により増大した。さらに、得られた複合体のアルデヒド分解速度は、カチオン界面活性剤の添加条件により大きく異なることを確認した。